2022年5月訪問

京都市下京区の京都鉄道博物館で保存されているC55 1
C55 1の車歴は⋯
- 1935年3月 川崎車輌にて新製、小樽築港庫(のちに小樽築港区)に配置
- 1940年3月 小樽築港区→苗穂区
- 1940年4月 苗穂区→小樽築港区
- 1940年9月 小樽築港区→下富良野区(のちに富良野区)
- 1943年9月 富良野区→小樽築港区
- 1947年9月 小樽築港区→旭川区
- 1958年9月 旭川区→室蘭区
- 1968年9月 室蘭区→旭川区
- 1972年4月 旭川区→梅小路区
- 1979年3月 廃車
車歴はこちらから↓
C551 機関車データベース (形式C55) - デゴイチよく走る!
車歴から見ての通り、北海道で活躍してきた機関車である。末期には保存を前提として梅小路区へ転配、梅小路蒸気機関車館、次いで京都鉄道博物館で保存されている。

前照灯はLP403、副灯にLP405を使用している。煙室戸ハンドルは◯から十字のハンドルが飛び出したタイプを使用しており、さらにハンドル上部には標識掛けも装備している。
本来側面に取り付けられるステップが、C55 1ては端梁前面に取り付けられている。これは宗谷本線を走っていた旭川区配置のC55形式に見られた特徴で、両側もしくは片側のステップを端梁前面に移設している。
またデフレクター支え棒にツララ切りを装備するなど、酷寒地を走った蒸気機関車の特徴が多く見られる。

デフレクターにはバイパス弁点検窓が開けられているが、長方形で縁が無いタイプなので苗穂工場が施工したものとなる。

C55形式は日本の本線用大型蒸気機関車で最後にスポーク動輪を導入した形式として有名である。C55形式のスポーク動輪は、いわゆる「水かき」と呼ばれる、リム部分に補強が加えられているのが特徴である。
またC55 1は加減リンクの側に複数の丸穴を開けているのも特徴的である。

運転室横には、苗穂工場や釧路工場で取り付けられるタイプのタブレットキャッチャーが取り付けられている。

ブレーキ分配弁には、いわゆる「飯盒」と呼ばれるカバーが取り付けられている。これも北海道の機関車特有の特徴である。

後照灯はLP42を使用している。北海道特有の改造として、炭庫と水取り入れ口の間の仕切板に後照灯が移設されている。

運転室のテンダー側を見る。C55 1は密閉キャブを使用しているが、テンダー側から見ると石炭取出し口付近の覆いが可動式になっていることがわかる。

反射板ハンドルには開閉位置の書き入れがある。時々見られる標記であるが、はっきり残っている機関車は意外に少ない。
蒸気ドーム前の手すりは、北海道で見られる扇形のタイプである。
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2025年5月23日編集
