ばんの鉄道いろいろめぐり

旅先で見てきたいろいろな鉄道車両の保存車や廃車体、廃線跡などを紹介していきます。たまに現役のものや模型なんかも。

【保存車】C59 161 広島市中区

2024年12月に訪問

C59 161

広島県広島市中区のこども文化会館の横で保存されてるC59 161です。
C59形式といえば特急牽引機というイメージが強い機関車ですが、もちろん保存地広島にも大変ゆかりある機関車になります。

C59 161のざっくりした車歴は以下のとおり
1946年7月 日立製作所笠戸で新製 下関区配置
1958年4月 下関区→広島第二区
1962年5月 広島第二区→広島運転所(組織改正)
1962年10月 広島運転所→下関区
1964年9月 下関区→糸崎区
1970年11月 廃車

デゴイチよく走る!機関車データベース

車歴を見るに山陽本線呉線で活躍した機関車だということがわかります。廃車後の1971年より、今の場所で保存されているようです。


それでは正面よりじっくりと見ていきましょう。

正面

まず特徴的なものは、ハの字をした煙室戸下のシンダー除けと、エンドビームに埋め込まれた後部標識灯になります。
シンダー除けは通称"エプロン"と呼ばれたりします。機関区などに帰ると、煙室扉を開けて中のシンダー(石炭の燃えカス)を掃除しますが、それがボイラーの下側なんかに入って掃除が面倒になるのを防ぐために取り付けられています(贅沢品)。貨物機には無いので、正しく優等列車を牽く旅客機の特徴とも言えます。施行工場などによって形状が異なり、広島工場受け持ちの機関車は末広がりのハの字になっています。
もう一つは後部標識灯です。必要な時は普通、カンテラや反射板を付けたりします。しかし広島工場受け持ち機は、エンドビームに埋め込む改造を施して使用していました。


続いて側面へ…

側面(煙室横)

特に特徴的なものは無さそうに見えますが、しれっと先台車の車輪の種類が1軸目と2軸目で異なっています。


さらに後ろへ…

側面(運転室)

ランボード上には清缶剤送入装置が搭載されております。これは理研式150Lタンクのタイプになります。
そしてもう一つ注目?すべきものが…

運転室下側に下りている配管の出口にラッパ状のものが付いているのがお分かりになるでしょうか?これはインジェクターの溢水管の出口になるのですが、先っちょにラッパ状のものがあるのは、九州にいた機関車に多く見られた特徴になります。でも161号機は九州にいた事はありません…。
九州にいなかったのにラッパ状のヤーツがある機関車は他にもいまして、それが下関市で保存されているD51 768になります。C59 161との共通点がありまして、それが「下関区に同時期に配置されていた」ことになります。つまり下関にいた時期にラッパ状のヤーツが付けられたのではないか?と推測できます。下関区は広島工場の受け持ちになりますが、下関は九州の小倉工場とも近いので、何か技術交流的なものがあったのかもしれません。


それでは最後に後部へ…

後部

テンダーの形式は10-25Bで、戦争末期より用いられた通称"船底テンダー"になります。またこちらにも後部標識灯が埋め込まれています。テンダー側の埋め込みは、広島工場と小倉工場が受け持つ機関車で多く見られました。


場所はこちら


2025年3月27日更新

保存車・廃車体(形式別)へ戻る
保存車・廃車体(地域別)へ戻る
記事一覧へ戻る