2019年3月訪問
宮城県大崎市の中山平温泉駅前で保存されていた、C58 356です。
C58 356の車歴は⋯
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C58356 機関車データベース (形式C58) - デゴイチよく走る!
王寺区時代は主に和歌山線で活躍していたよう。宮古区や尻内区時代は山田線や八戸線で使用されたのでしょうか。宮古区時代は郡山式集煙装置を装備していたようです。郡山式集煙装置はとても特異な形状をしていて個人的にも好きですが、残念ながらそれを装備した保存機はありません。最後の小牛田運転区時代は陸羽東線や石巻線で活躍していました。
小牛田運転区にいたC58は比較的多くの機関車が保存されていますが、この356号機を含め近年解体されたものも多いです。
さて助士席側の側面から見ていきます。前照灯は垂れてしまっていますが、シールドビームのLP405を装備しています。また副灯もLP405を装備していましたが、現在は台座しか残っていません。保存当初は残っていたようです。
続いてデフレクターのバイパス弁点検窓は、郡山工場受け持ち機に見られる、縁があって角のRが小さめなタイプてす。
全体的に傷みが酷いのは言うまでもありませんが、特に水が溜まりやすいシリンダー下部の底が抜けてしまっています。
助士席横まで来ました。鷹取式の150Lタンクの清缶剤送入装置が装備されています。
運転室窓は鉄筋が縦に張られていたようですが、それすらも朽ちてほとんど無くなっています。
テンダー後方です。後方右端に縦に延びている配管がありますが、これは溢止め管と呼ばれる装備です。東北地方の他、九州の機関車に多く見られた装備です。テンダーに給水を行っている際に、水量が満タンになると溢止め管から水が流れ出て知らせてくれるという装備です。JR東日本で動態保存されている蒸気機関車にも、後付で全般的に装備されています。
後照灯は失われていますが、現役時の写真を見てみると取り付けられていたのはLP405っぽそうな感じです。
最後に運転士側です。こちら側にパッと見は大きな特徴は見受けられません。運転室の吊り輪くらいでしょうか。
このC58 356は残念ながら2022年に解体されてしまいました。サイトによっては「これほど荒廃している保存蒸気も珍しい」と酷評されてしまっていますが、車両を見ての通り、雪の影響が非常に大きいと言わざるをえません。北国の保存車はいかにして冬を越せるのか大事だということを思い知らされますね。
2025年4月12日編集