2022年7月訪問

札幌市西区の農試公園で保存されているD51 11。
D51 11の車歴は…
- 1936年3月 川崎車輌にて新製、広島庫(のちの広島区)に配置
- 1937年11月 広島区→追分区
- 1939年7月 追分区→旭川区
- 1943年3月 旭川区→岩見沢区(のちの岩見沢第一区)
- 1973年11月 廃車
車歴はこちらから↓
D5111 機関車データベース (形式D51) - デゴイチよく走る!
車歴から見ての通り、北海道で活躍してきた機関車である。廃車後は当地で保存されている。

前照灯はLP403を使用している。現役当時はLP405を使用した副灯を装備していたが、保存に際して撤去されたようだ。ナンバープレートのすぐ下に設けられた標識掛けが特徴的である。煙室戸下には、標識掛けも設けられたシンダー除け(エプロン)を装備している。
北海道の機関車特有の改造として、デフレクターの切り詰め、およびデッキへの手すりの増設が行われている。これらの改造は1968年頃に行われている。またデフレクターにはバイパス弁点検窓を設けている。もともとは扉付きのものであったが、現役当時のうちに撤去されている。
雪かき器は丸みを帯びた形状のものを装備している。

D51の初期型の特徴である、ナメクジ形のドームを備える。現役当時は煙突には皿形の回転式火の粉止めを設けていた。

運転室は1958年頃に密閉化改造が行われている。それに伴い、テンダーの前方の角も斜めにカットされている。
ナンバープレート横に設けられていたタブレットキャッチャーや、側窓に設けられていたバタフライスクリーンは撤去されている。また分配弁に取り付けられていた飯盒形のカバーも撤去されており、保存に際してよりオリジナルに近い状態にしようとした意思を感じる。

後照灯は炭庫と水取り入れ口の仕切り板にLP42を取り付けていたようだが、現在は失われている。

北海道の機関車特有の改造として、機関士側ステップの拡張と手すりの増設が行われている。

助士側もタブレットキャッチャーやバタフライスクリーンが撤去されている。
助士席前方には、かつては150Lタンクの鷹取式清缶剤送入装置を設けていたが、1970年前後に撤去されたようである。北海道では蒸気が逆流したことにより清缶剤送入装置が爆発する事故が起こっており、それを契機に北海道の機関車全般で撤去されている。
運転室の出入り口には三角形の防護柵が設けられている。これも北海道の機関車でよく見られる装備である。
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2025年8月1日編集
