2024年2月訪問
大分県日田市の日田駅裏手で保存されている、D51 176です。
D51 176の車歴は⋯
- 1939年1月 日立製作所にて新製、米原区に配置
- 1942年11月 米原区→岡山区
- 1944年11月 岡山区→糸崎区
- 1950年7月 糸崎区→正明市区
- 1950年9月 正明市区→津和野区
- 1952年3月 津和野区→熊本区
- 1970年10月 熊本区→南延岡区
- 1974年8月 廃車
車歴はこちらから↓
D51176 機関車データベース (形式D51) - デゴイチよく走る!
車歴から見ると、東海道、山陽、鹿児島、日豊本線といった幹線で主に活躍してきた機関車のようです。1950年に在籍していた正明市機関区とは今の長門市にあった機関区で、山陰本線や美祢線の列車を牽引する機関車が配置されていたようです。
廃車後は日田市の中央公園で保存されていましたが、公園の再開発に伴い2005年頃に現在の場所に移設されました。
前面から見ていきます。前照灯はLP403を装備していますが、レンズは交換されているようです。ナンバープレート横に標識掛けがあるのが特徴的ですね。なおナンバープレートは当然レプリカになります。
またシンダ除け(エプロン)が設けられておりますが 、こちらは網鋼板を用いており、おそらく保存後に行った補修の際に取り付けたものと思われます。現役時の写真を見ると同形状のエプロンを取り付けていますが、現在よりも手前に取り付けられているように見え、もちろん網鋼板ではありません。
側面を見ていきます。デフレクターにはバイパス弁点検窓が設けられており、形状や車歴から小倉工場で施工されたものということが分かります。
少し後方より見てみると、デフレクターとボイラーを繋ぐ支え棒にリンゲマン煙色濃度計(リンゲルマンチャート板とも)を取り付けるステーが取り付けられています。現役時の写真を見ると、末期まで取り付けられていたようです。九州の機関車には大体取り付けられていましたが、保存車で現在まで現存しているものはほんの僅かです。多くはこの176号機のようにステーのみが残っている状態です。
さらに後方に目を向けると、運転室前方に理研式150Lタンクの清缶剤送入装置を装備しています。
テンター後部を見ていきます。後照灯はLP42を装備していましたが、こちらも前照灯同様にレンズが交換されています。後部標識灯は九州の機関車に多く見られる埋込式になりますが、こちらもレンズが失われています。
さらにナンバープレートの左側に配管が取り付けられています。これは溢止め管といい、給水時に満水になったとき、この配管から水が溢れ出て知らせてくれるものです。小倉工場や郡山、土崎、多度津工場が受け持つ機関車で見られますが、小倉工場の場合は176号機のように左側、郡山・土崎・多度津工場の場合は右側に取り付けられています。
またテンダーへ上るための梯子は失われている、というよりは撤去された感じになっています。
場所はこちら
2025年4月20日編集