ばんの鉄道いろいろめぐり

旅先で見てきたいろいろな鉄道車両の保存車や廃車体、廃線跡などを紹介していきます。たまに現役のものや模型なんかも。

【保存車】D51 260 富山県滑川市

2025年8月訪問

 

富山県滑川市の東福寺野自然公園で保存されているD51 260。

 

D51 260の車歴は…

  • 1940年1月 鉄道省長野工場で新製、直江津区に配置
  • 1942年3月 直江津区→長岡区(のちの長岡第一区)
  • 1965年10月 長岡第一区→直江津区
  • 1967年9月 直江津区→酒田区
  • 1971年7月 酒田区→新津区
  • 1972年10月 新津区→岩見沢第一区
  • 1976年3月 廃車

車歴はこちらから↓

D51260 機関車データベース (形式D51) - デゴイチよく走る!

 

日本海縦貫線で主に活躍、晩年は北海道に渡っていた機関車である。廃車後は当地で客車とともに保存され、SLホテルとして使用されていた。2001年に客車は解体されたものの、2003年に公園内で場所を移し、後方に客車風コテージを連ねて保存されている。

 

 

前照灯はLP403を使用している。現役時代は副灯としてLP405も装備していたが、現在は台座のみが残っている。

さらに煙室戸下にはシンダー除けも装備していたが、保存に際して撤去されたようだ。

担バネの覆いには左右に標識掛けが取り付けられているが、新津区時代にはもっと内側に取り付けられていた。岩見沢第一区転配時に移動したようだ。

デッキには北海道特有の装備としてコの字の手すりが増設されている。また雪かき器も装備されたままとなっている。雪かき器の取り付けステーは、北海道でよく見られるハの字のタイプである。こちらも岩見沢第一区転配時に交換したのだろう。

 

デフレクターにはバイパス弁点検窓が設けられている。長方形で縁が有る構造から、長野工場で施工されたものとわかる。また北海道の機関車特有の改造として、デフレクター前方がカットされている。

またバイパス弁点検扉も、折り目が多く設けられて開口部が広がるように改造されている。これは長野工場受け持ち機に多く見られるものである。

 

 

煙突には回転式火の粉止めが設けられている。

 

蒸気ドーム前方には、長野工場受け持ち機に見られる五角形の大型の手すりを増設している。

 

 

第4動輪から助士席までは、記録式速度計の検出線が伸びている。本州にいた時からあったのか、北海道で取り付けられたのかは不明。助士席前面窓には旋回窓が設けられていたが、現在は失われている。

 

助士席前方には150Lタンクの清缶剤送入装置が設けられていたが、北海道へ渡った際に撤去されたようだ。

 

 

運転室横にはバタフライスクリーンとタブレットキャッチャーを備える。いずれも北海道に渡った時に設けられた装備である。タブレットキャッチャーを避けるように曲げられた、雨樋配管兼手すりが特徴的である。

 

運転室内。比較的計器や機器類はよく残っているように見える。

 

 

助士席側。記録式速度計の計器は残っていない。

 

後照灯は北海道の機関車特有の改造として、炭庫と水取り入れ口の仕切り板に移設されている。LP42またはLP403を使用していたと思われる。

 

 

テンダーの機関士側ステップも北海道転配時に大型化されているが、現在は増設部が欠損しているようだ。

 

炭庫には鋼製の増炭囲いを設けている。機関車後方には客車のようなものが繋がっているが、これは客車風のコテージである。以前はオハ35 2370+オハフ33 2193+ナハネ20 71+ナハネ20 64+オロネ10 89の5両を繋いでいたが、先述のとおり解体されている。

 

 

助士側同様にバタフライスクリーンとタブレットキャッチャーを備える。260号機は北海道転配にあたって多くの改造を施されているが、さすがに蒸気機関車末期の70年代のことだけあり、運転室の密閉化までは行われなかったようだ。

 

空気圧縮機まわり。空気圧縮機の排気管からは、テンダーの暖房用配管が分岐する。また機械式速度計の検出棒は、従輪から第4動輪へ移設されている。いずれも北海道へ渡った時に改造されたものだ。

 

 

蒸気ドームまわり。

 

煙室横機関士側。

 

 

場所はこちら

 

2025年

 

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