2023年10月訪問
JR新発田駅からほど近く、新発田市東公園で保存されているD51 512です。
まずはD51 512の車歴を見ていきましょう。
1940年11月 大宮工場にて新製 新津区配置
1968年12月 新津区→直江津区(貸出)
1969年6月 直江津区→長岡運転所長岡支所(貸出)
1969年9月 直江津区→新津区
1972年10月 廃車
車歴から見ての通り実質新津生え抜きの機関車で、主に羽越本線や信越本線で使用されていたのでしょう。羽越本線電化完成の年に廃車になったようです。廃車後の1973年より、当地で保存されているようです。
それではじっくりと見ていきましょう…。
まずデフレクタにバイパス弁点検窓が開いております。形状は長方形に枠付きで、これは長野工場で改造施工された機関車の特徴です。またその下にあるバイパス弁点検蓋も、普通は1枚だけなのが2枚に増設されています。これは長野工場と土崎工場が受け持つ機関車に見られる特徴です。512号機は長野工場受け持ちだったので、長野で改造されたのでしょう。
続いて蒸気ドーム周りを見てみましょう。
蒸気ドーム前に手すりが付いております。五角形をしたような手すりになってますが、これも長野工場受け持ち車の特徴です。この手すりは、蒸気ドーム前にある砂箱の内容量を確認したり、砂を補充したりするときに使います。
続いてテンダー後方です。
テンダー上部へ上がる梯子が特徴的な形状をしています。元の梯子を撤去して新設されたタイプですが、これは大宮工場受け持ち機に見られたものです。512号機は全く大宮工場とは関係ないはずなので不思議ですが、もしかしたら現役時に他機とテンダーの振替などがあった可能性があります。なお現役末期の1972年の画像を見ると、現在と同様の形状の梯子になっていることが確認できます。
もう一つの特徴として、テンダー上部に1500Lの重油タンクが載っていることが挙げられます。ロングランの運用が多い線区では重油併燃装置を載せた機関車を多く用いており、512号機も例に漏れず搭載されました。なお各車歴簿には「680L」と記載がありますが、これは蒸気ドーム後方にタンクを搭載するタイプになりますので、誤りとなります。
反対側の側面も見ていきましょう。
運転室屋根が後方に延長されています。これは新潟や東北特有の改造で、冬季に雪が運転室に入りにくくなるようにして、幕を垂らして寒さを凌いだようです。雪国ならではの改造ですね。
運転室助士側前面のランボード上には清缶剤送入装置があります。理研式の150Lタンクですね。
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2025年3月30日更新