ばんの鉄道いろいろめぐり

旅先で見てきたいろいろな鉄道車両の保存車や廃車体、廃線跡などを紹介していきます。たまに現役のものや模型なんかも。

【廃貨車】ワム584338(清洲駅常備)

2018年訪問

 

某所で倉庫か何かに使用されていると思われる、ワム584338です。

 

ワム584338はワム80000形式の584000番代のうちの1両にあたりますが、584000番代はケース入り瓶ビールを輸送するために1969〜1970年に新製されたグループになります。ちなみに従来のワム80000から改造して製作されたグループは585000番代を名乗っているそう。いわゆる物質別適合車というやつですね。

ビール用のパレットを効率良く積み込めるように、中の構造が従来のワム80000とは違うようです。また外見的には280000番代とよく似ていますが、妻面に外付けのパイプ(雨樋)の有無で判別することも可能ですね。

 

標記に目を向けると、名古屋鉄道管理局の清洲駅常備だったことが分かります。清洲駅南側では、現在もキリンビール名古屋工場が操業中ですね。ここで作られたビールを各地へ輸送していたようです。

 

ナンバープレート横には専用運用区間の標記があります。文字が重なっていて見にくいですが、従来のビールを運ぶための標記を塗りつぶして「笠寺駅常備」が書いてあった感じがします。元の標記は

「専用運用区間

清洲百済 東静岡 梅田 天竜川 放出 敦賀 郡山?間」

「ビール・ビール空びん専用」

という感じでしょうか。

ワム584338がビール輸送としての用途を終了した後、笠寺駅常備となって一時的に何か別の輸送に使用されてのでは?と推測することもできますね。

 

標記類が比較的はっきり残っている廃貨車は意外と見かけないものですが、その中でもこのワム584338のように色々な標記が残っているちょっと特殊な貨車を見かけると感動してしまいますね。

 

 

2025年4月21日編集

 

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