2025年10月訪問

新潟県加茂市の冬鳥越スキーガーデンで保存されている蒲原鉄道モハ61。

蒲原鉄道モハ61は、1940年に日本鉄道自動車にて武蔵野鉄道(のちの西武鉄道)クハ5856として新製、1948年にはクハ1232、1954年にはクハ1233に改番されている。1958年に蒲原鉄道へ譲渡、それに伴い西武鉄道所沢工場にて両運転台化や電動車化などの改造を受けている。1999年の全線廃車に伴い廃車、2000年よりモハ1、ED1と共に当地で保存されている。

車体は黄色とマルーンの2色塗りであるが、これは旧来の西武鉄道のカラーリングである。この塗色は後に他の車両にも踏襲されている。

車体は17m級で、12m程度の車両が多い蒲原鉄道内では最大級の車両であった。

日中戦争が激化し資材不足であった時期の製造であるため、鉄道省や東武鉄道で廃車になった木造客車の資材を流用して製造されたようだ。戦後は進駐軍専用車両として使用もされている。

ワンマン仕様への改造により、車端角にはミラーが取り付けられている。ワンマン運転対応化改造は1978年に行われている。

各種標記。1997年に最後の全般検査を行ったことが分かる。

車番と社紋が入る。

台車は鉄道省制式のDT10を使用している。当初は全軸に主電動機を設ける予定であったが、蒲原鉄道の変電所容量の関係から0.5Mに変更されている。

床下のスイッチやヒューズ類。

自動連結器はシャロン式を使用している。

五泉側の運転室。

主幹制御器や前後切換スイッチには東洋電機のマークが見える。

戸閉連動スイッチや運転台切換スイッチなど。

客室内。

加茂側の運転室。どちらかの運転室は蒲原鉄道譲渡時に増設されたものであるが、車内からでは明確な違いは見受けられない。

ブレーキの圧力計の上には、ワンマン関係の機器が並んでいる。
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2025年12月8日編集
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