2023年10月訪問
山口県美祢市の美祢市民会館横で保存されている、C58 36です。
C58 36の車歴は⋯
- 1938年11月 川崎車輌にて新製、室蘭区に配置
- 1939年11月 室蘭区→釧路区
- 1944年10月 釧路区→釜石区
- 1945年11月 釜石区→和歌山区
- 1958年6月 和歌山区→小山区
- 1965年10月 小山区→水戸区
- 1967年3月 水戸区→厚狭区
- 1967年6月 厚狭区→厚狭区宇部港駐泊所
- 1971年10月 厚狭区宇部港駐泊所→小郡区
- 1973年5月 廃車
車歴はこちらから↓
C5836 機関車データベース (形式C58) - デゴイチよく走る!
車歴から見てのとおり、全国津々浦々を走ってきた機関車です。和歌山区時代は阪和線や和歌山線、小山区時代は両毛線や水戸線、厚狭区時代は近隣駅の入換や美祢線の旅客列車なんかを牽引していたようです。
それでは前面より見ていきます。前照灯はLP42のようなものを取り付けていますが、現役末期の写真を見るとシールドビームのLP405を取り付けていました。保存されてからどこかのタイミングで付け変わっているようです。さらに端梁には後部標識灯が埋め込まれています。これは広島工場受け持ち機に見られる特徴です。
また煙室戸下にはシンダ除け(いわゆるエプロン)が取り付けられています。形状からおそらく大宮工場で取り付けられたものと推定できます。
側面を見ていきます。バイパス弁点検窓は縁のあるタイプのものが設けられています。角のRの大きさから、郡山工場が施工したものっぽい感じがします。
また蒸気ドーム前方に四角い手すりが取り付けられています。これも工場によって形状が異なりますが、36号機のものは広島工場が取り付けたものになります。長方形で少し背が高いのが特徴です。
運転室回りを見ていきます。理研式150Lタンクの清缶剤送入装置を装備しています。
また前方に目をやると、汽笛に向かってホースのようなものが下へ伸びています。外付けのコンプレッサーなどで圧縮空気を作って、それを使って汽笛を鳴らせそうな感じです。
テンダー回りを見ていきます。後照灯はレンズが交換されていますが、おそらくLP42を使用していたものと思われます。また後部標識灯は広島工場受け持ち機に多く見られる埋込式になります。
さらにテンダー半分より前方には鋼板による増炭囲いが設けられており、石炭の積載量を増やしています。
周囲の建屋が工事中だったので、見れる場所は運転室横まで。
露天での保存ということもあり一時期は塗装等に傷みも見られましたが、2017年に市民参加での「ペンキ塗り大作戦」が企画され、その後も保全が継続されており、現在も美しい状態で保存されています。
場所はこちら
2025年4月19日編集